ステロイド全身投与時の注意点

教科書的な副作用はさまざまだが、病棟管理の側面から整理してみる。

  • 感染(結核、HBV、HCV、PCP/PJP)
  • 内分泌(血糖、脂質)
  • 消化性潰瘍

対応する項目

感染

スクリーニング

  • 結核:T-SPOT
  • HBV:HBsAg、HBsAb、HBcAb、必要ならHBV-DNA
  • HCV:HCV抗体
  • PCP/PJP:β-D-グルカン、KL-6のベースラインを測定してもよい

投薬

  • PCP/PJP:PSL ≧0.3 mg/kg/日、≧3週間(3錠3週間くらい)を目安にST合剤を投与。病状が落ち着いてから、2〜3週以内に始めればよい

内分泌

  • 血糖:血糖値、HbA1c測定。最初のうちは血糖測定を
  • 脂質:コレステロール、中性脂肪を測定

  • 骨密度測定
  • ビタミンD(±ビタミンK)をステロイドと同時に開始
  • 歯科コンサルト
  • 歯科診察で問題なければビスホスホネート開始

  • 白内障・緑内障のリスク、既往に応じて眼科コンサルトを検討

消化性潰瘍

  • ステロイド単独は胃潰瘍リスクではないが、他のリスク(ストレス、既往、抗血栓薬、NSAIDs使用など)があるとリスクになる。リスクがあればPPIを投与する

副腎不全のリスク

「PSL ≧7.5 mg/日を≧3週間内服」で副腎不全リスクが上昇する。副腎不全らしい症状があるのであれば、PSL ≧5mg, ≧4週間であれば high risk である。ステロイドカバー時の補充量は諸説あるが、副腎不全疑い時のステロイド投与量は下記の通り。

  • 原因病態が軽症:ヒドロコルチゾンコハク酸(ソル・コーテフ)50mg
  • 中等症以上、症状が強い:ヒドロコルチゾンコハク酸(ソル・コーテフ)100mg

より高用量を要する場合でも分割するので、初期対応としては 100mg div でよい。1回のステロイド投与で感染症が著しく増悪するとは考えづらく、疑った場合は低い閾値で投与してよい。

参考

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